コラム

あなたの「イライラ」の本当の正体(2)


前回のコラムでは、「イライラ」の発生原因について解説しました。
まだご覧になっていない方は、どうぞバックナンバーでご確認ください。


「イライラ」は、

■いつもと違うことが起こる

 そのうえ、

■自分でコントロールできない


という2つの原因が重なった場合に強くなりやすいのでしたね。


「自分でコントロールできない」


つまり「ボールが相手側」にあって「自分では解決できない状態(=無力)」だから、あなた自身が「イライラ」を続けることに決めたわけです。

「イライラしない」という選択肢もあったのですが、あなたは続けることにしました。


なぜ続けることにしたのか。それは「損」をしたくないからでしたね。

「イライラ」をやめてしまうと「イラッ」とした損を、そのまま認めて受け入れたと認識してしまうんです。いつもと違うことが起こって「イラッ」とさせられて「損」をしたのに、それを解決するまで粘らないと「損」をしたままになってしまう・・・

勝手に「損」をさせられるなんて嫌だ・・・ 粘って、取り返したい。

そういう「プライド」や「損得勘定」が潜在意識の中で自動的に発動し、「執着」がエネルギーとなって継続させているわけです。

一般的な「イライラ」の解消方法を挙げてみますと、

1)我慢する(別のところでストレス解消する)
2)権力や暴力でねじ伏せる
3)時間とともに忘れてしまう
4)まあ、あり得ることだから仕方ない・・・と納得する
5)その状況から逃げる
6)やめてもらうように伝える

などが考えられます。


1)我慢する(別のところでストレス解消する)
2)権力や暴力でねじ伏せる


は有効な方法ではないということは前回のコラムで説明しました。


3)時間とともに忘れてしまう
4)まあ、あり得ることだから仕方ない・・・と納得する


という方法で、心のモヤモヤが解消できるのであれば、この方法が一番です。しかし、これは「小さなイライラ」の場合に限られます。あなたの心の「許容範囲内」の出来事であればこの方法で十分にイライラを消すことが可能です。(そして年齢とともに「許容範囲」は広くなります)

(3)と(4)の方法は「ボール」が相手側に残ったままですが、ボールが「自然消滅」してしまうケースです。これで済むレベルであれば、わざわざボールを自分に取り戻す必要はありません。


5)その状況から逃げる


というのは、状況によってはとても有効な方法です。

・人身事故で電車が止まってイライラ → 会社に行くのをやめて、いっそ映画でも観に行ってしまう
・パワハラ部長にイライラ → 会社を辞めて転職してしまう
・ご主人の身勝手さにイライラ → 離婚してしまう

などです。

しかし逃げて「犠牲」にすることも多いので、当然ながら簡単なことではありません。

そして、普段から逃げ慣れていない日本人は「逃げる」という選択肢をなかなか使わないので、心や体がボロボロになっても逃げずに耐えたり、場合によっては自殺してしまったりします。

身の危険を感じるレベル、完全に自分のキャパオーバーなら「逃げる」という最終手段も常に残しておくべきです。

プライドや責任感、世間体などよりも「自分を大切にすること」が人生の最優先事項です。「悲劇の自分」「不幸な自分」に酔ってしまってはいけません。恰好付けている場合でもありません。緊急事態なら逃げることです。

ドラマのタイトルにもありましたが『 逃げるは恥だが役に立つ 』です。

(ちなみにこのドラマのタイトルは、もともとハンガリーのことわざ「Szegyen a futas, de hasznos.」が由来だそうです。和訳すると「恥ずかしい逃げ方だったとしても 生き抜くことが大切」という意味です。こっちのほうがさらにわかりやすいですね。)


恥ずかしくてもいいんです。
カッコ悪くてもいいんです。

「逃げる」は自分の身を守るとても大切な方法の1つです。


1)我慢する(別のところでストレス解消する)
2)権力や暴力でねじ伏せる
3)時間とともに忘れてしまう
4)まあ、あり得ることだから仕方ない・・・と納得する
5)その状況から逃げる

以上(1)から(5)の方法は、「ボール」が相手側に残ったままの解決法でした。

ボールを諦めてしまうので「自分でコントロールする」という部分は未解決ですが、


4)まあ、あり得ることだから仕方ない・・・と納得する
5)その状況から逃げる


この2つの方法は「自分の意志」が働いている分、少し「ボールが自分」のところに戻っていると言えます。


・仕方ないと「納得する」ことにした(← 自分の意志)
・この状況から「逃げる」ことにした(← 自分の意志)


最終的にこの行動・判断は「自分の意志」です。

実はこの「最後には自分の意志」で行動した「終わらせ方」というのが重要となります。

これが今回のコラムのポイントです。

6)やめてもらうように伝える


イライラすることがあっても「ボールを相手にわたさない」、つまりコントロール可能な状態を維持させた方法がこの(6)です。

「無力」になってしまう前にイライラの発生原因を相手に伝えて、やめさせるという方法をとりますね。


・なんで電車の中なのに、携帯で話をしているわけ?(=イライラ)

→その人に、電話をやめてもらうように伝える


・レストランでは子供を静かにさせておくべきじゃないの?(=イライラ)

→子供か保護者に静かにするように伝える


・この部長の話は長いなぁ、あ~もう・・・(=イライラ)

→端的に話すように伝える


・夫が身勝手で家事に協力してくれない(=イライラ)

→家事に協力するように伝える


「伝えて」→「やめさせる」という、王道の方法ですね。


しかし、これがいつも成功すれば苦労はないです・・・(笑)


伝えたけど「無視」された
伝えたけど「反発」された
伝えたら「ケンカ」になった


のように失敗に終わることも少なからずあります。


そもそも他人とは「考え方」が異なるわけですから、成功率100%の伝え方というのはありません。

しかし成功率を上げるための「伝え方の工夫」は必要です。

この「伝え方の工夫」こそが人間関係力を高めるエッセンスですからね。


・注意をする
・お願いをする


という方法だと、成功率はなかなか上がりません。なぜなら、


・注意をする(→ 上から目線)
・お願いをする(→ 対等目線)


だからです。

成功率の高い方法は、


・困っていることを伝える


です。プライドが邪魔したり、負けず嫌いだったり、すぐに感情的になってしまう人は、これがなかなかできません。

繰り返しますが所詮、他人とは「考え方」が違うんです。その相手に向かって「注意」をしたって「反発」される可能性が高いのは当然です。

「お願いをする」というのは対等な立場ですし、道徳的な解決方法に思えますが、まだまだ成功率は高くありません。もちろん普段のコミュニケーションにおいては「お願いをする」が最も使われますが、通用しなさそうなときにとるべき方法は、


「困っている」「助けてほしい」「協力してほしい」などです。


これらはいずれも「下から目線」になります。

何で自分が下にならなければならないの?

と思いますよね。ましてや相手が自分の子供だったり、部下・後輩だったらなおさらです。

だから多くの人がなかなかできないんです。

しかし、冷静に考えれば、最終目的は「イライラの原因の排除」と「いつもの平穏な毎日」です。


へりくだっても「解決させることが最優先事項」です。そう割り切ってください。


この割り切りができるかどうかが「人間の器」の違いです。


言葉では立場が「下」のように感じても、結果として「自分のコントロール下」に置くことが目的です。行動に「自分の意志」が反映されていますから、「我慢」ではありません。そのため、実のところ「ストレスレベル」としては「我慢」よりもずっと小さくなります。

もちろん成功率は100%ではありません。

ですから、所詮100%はあり得ないと腹をくくっておいてください。


「困っている」「助けてほしい」「協力してほしい」


これを伝えるのは結構、難しいです。

言葉では困っている内容を伝えていても、なんとなく上から目線な言い方になっていたり、「相手が間違っていて、自分が正しい」と最初から決めつけているとその感情が言葉尻に出てしまいますのでうまく伝わりません。

相手を1人の人間として尊重していないと相手の心はなかなか動きません。


「困っている」「助けてほしい」「協力してほしい」


これを心を込めて伝えてもダメだったら、意外とスッキリする場合が多いです。「思った以上にコントロール不能なんだな・・・」と理性的に頭の整理がつきます。

そうすると単なる「我慢」ではなくて、

3)時間とともに忘れてしまう
4)まあ、あり得ることだから仕方ない・・・と納得する
5)その状況から逃げる

の3つの方法で再び解決できてしまうことも多くなります。

・困っている
・助けを求めている
・協力を要請している

それでも通じない相手ですから、ある意味、自分とはだいぶ遠い位置にいる人です。つまり「心の距離」ができるんですね。この距離が冷静さを取り戻してくれます。

以前にコラムでお伝えしましたが、上司がフランス人だったら、無理難題を言ってきても、なぜかあきらめがついてしまう、という状態に近いです。日本人と考え方が違うから仕方ないか・・・ って。


「心の距離」が近い人だから「イライラ」が強くなるんです。

電車の中なのに携帯で話している人が、観光で日本に来ているアフリカ人だったら?

4)まあ、あり得ることだから仕方ない・・・と納得する

になりませんか?

同じ日本人同士だと「イライラ」して、アフリカ人だと「仕方ないか」と思う。つまり相手が自分に近い人だと、「イライラ」を続けることに決めているだけなんですね。


ちなみに、自分の子供にはいつも厳しくて「イライラ」している親はとても多いです。

子供は自分のコピーじゃないんですけどね。自分に極めて近い存在だけに「心の許容範囲内」が極端に狭くなって、ちょっとでも親の思い通りにならないと、イライラ、ガミガミ・・・ ってなってしまいます。

子供は知識や経験こそ、親にはかないませんが、「魂」というレベルでは完全に対等です。対等な魂ですから尊重して接するのが原則となります。(子育て論は長くなってしまうのでまた別の機会にお伝えしますね)


少し話がそれましたが、

1)我慢する(別のところでストレス解消する)
2)権力や暴力でねじ伏せる
3)時間とともに忘れてしまう
4)まあ、あり得ることだから仕方ない・・・と納得する
5)その状況から逃げる
6)やめてもらうように伝える

以上「イライラ」の原因を解消する6つの方法でした。


そして、ぜひみなさんにはもう1つ実践してほしい方法があります。それは、


7)自分ならやらない(決意)


という方法です。

これは体内周波数の最も高い「徳」のある決断であり、「感謝の波動(CH890)」にも近いレベルです。


たとえば、とてもマナーの悪い人がいて、イライラしたとします。

状況的に

(5)その状況から逃げる 
(6)やめてもらうように伝える 

もできないとします。

通常であればイライラは募るばかりですが、そんな状況にあっても「自分の意志」でボールを引き戻します。それは、


「どんなことがあっても、私なら、あのマナーの悪い行動は 絶対にしない」と「決意」すること


なんです。

はぁ? それは「我慢」することとあまり変わらないんじゃないの?

と思いますよね。

しかしスピリチュアル的、風水的には大きく違うんです。


ただ「我慢」をして、ボールを相手のところに置いたままモヤモヤするのと違って、ここには「自分の意志」が介入します。

この反面教師の事例を目の前にして、今一度、自分の意志で「私はそういうことをしない人間になろう」と決意表明をしたわけです。

目の前で起こった出来事は、それを「決意」させる場を作ってくれただけに過ぎません。

ただし、決して相手をバカにしたり、自分のほうが優れているといった意識をもってはいけません。他人は他人、自分は自分です。

「自分は自分のために、ただ単に、こういう迷惑な行動はしないように決意した」
「自分は自分のために、ただ単に、こういう傷つく言葉を使わないように決意した」

「ただ単に、決意した。」それがポイントです。勝ち負けではなく「ただ」自分の意志でポリシーを固めた状態です。

そしてこれも「最後には自分の意志」で行動した「終わらせ方」になっています。



「体内周波数を高めて、人間の器を大きくしていくこと」


それが私たち人間が生まれてきた理由でした。

なんども説明してきましたが、復習の意味で以下のコラムも参考にされてください。


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■あなたが生まれてきた本当の理由。

(パソコンでご覧になる場合)→こちら

(スマホでご覧になる場合)→こちら

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「イライラ」がすぐに消えて、ストレスのない体質・思考を作り上げるためには、究極的には自らの意志で自分の生き方を貫く「決意」が求められるのです。

自分の生き方がしっかり定まっていて「決意」ができていれば、いちいちイレギュラーな出来事が起こったって、相手にボールがあって自分は無力だって、心は「ブレなく」なります。

それが「イライラ感情」をコントロールできた「器の大きな姿」なのです。
この姿を最終目標にしてください。

人間はその目標に向かって歩んでいると、不思議なことがたくさん起きて、追い風の中を後押しされたように物事がスムースにすすむんです。


以上2回にわたって「イライラ」の正体と解消の方法について解説してまいりました。

なんだもっと「魔法の言葉」みたいなのがあるのかと思った・・・・ と感じた方やイライラした方(笑)もいらっしゃるかもしれませんが、今回解説をした内容が、人間の特性上の限界となります。

そもそも地球という三次元世界は「分かり合えない人同士の集合体」で「徳を積むための場(=体内周波数を上げる場)」として設定されていますから、簡単には4大猛毒(イライラ・怒り・心配・執着)は消せないようになっています。

その中でいろいろ経験をして、工夫をして、プライドや世間体などを上手に脱ぎ捨てて、「徳」を高めていくのがあなたの生まれてきた理由なんです。

このコラムを読んで、今はまだモヤモヤしているかもしれませんが、今回紹介をしました(1)~(7)をしっかり意識して、目の前に起こるイライラ事象について、1つ1つ「丁寧に」克服していってください。


「イライラ」が減れば減っただけ、確実に幸せが増えていきます。


そして「自分はどのような人物になりたいか」

そのベクトルをしっかり定めて、その道にすすむことが幸せへの早道です。


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