前回のコラムでは「無知はコスト」という話をしました。
この世の中は、知らないが故に「実は損をしている」ということが、思いのほかたくさんあるという内容でしたね。思考と行動を止めてしまって「現状維持」を続けていると様々なチャンスを逃していて、得をしている人との差がどんどん開いていってしまいます。
まずは「無知」であることは「金銭的コスト増」と「時間的コスト増」につながっているという事例に触れました。
もちろん損得や価値はお金と時間だけで決めるものではありませんから、コストが増えるだけなら、まだそれ以外のところで自分の強みを活かす場面や人生を楽しめる場面はいくらでもあります。
しかし「無知」が原因で運気を落としているとなると話は別です。
今回のコラムでは前回の続きで「無知は悲運」という話をしてまいります。
以前よりこの満月コラムでは運気を落とす「4大猛毒」の話をしてきました。
運気を落とす4大猛毒というのは「イライラ、怒り、心配、執着」でしたね。あと「無関心」を付け加えると5大猛毒となります。
5番目の「無関心」は最初に説明をした「無知はコスト」のほうにつながります。好奇心や知識欲求がないと「無知」を生み、それが「金銭的コスト増」と「時間的コスト増」に直結するからです。
しかし「無知」による「運気低下」がより強いのは、最初の4つ「イライラ、怒り、心配、執着」のほうです。
この4つの猛毒というのは、よくよく分析してみると「無知」から生まれることが多いんです。
状況をよくわかっていればイライラすることも怒ることもないのに「知らなかったが故に」イライラする、怒りの感情が湧きおこる。
この多くは「無知」のせいです。
身近な例を挙げますと、仮にあなたが日曜日の午前中に宅配便の配達を待っていたとします。
午前中指定をしていたのに、12時を過ぎてもまだ配達されない。イライラしてくるわけです。そして13時過ぎにようやくドライバーが来る。もう怒り爆発です。「午前中指定なのに何やってるんだ!」という感じで・・・。
「日曜日の貴重な時間を無駄にしたんだぞ! どうしてくれるんだ!!」なんて怒る人もいるかもしれないですね。猛毒・・・ 全放出です(笑)
その日は1日イライラが止まらず、人によってはイライラが尾を引いて、マイナスのパワレルワールドをまた1つ、新たにつくってしまったりします。
宅配便のドライバーの労働環境や配達ルートの設定といった裏事情を少しでも知っている人なら、こんなイライラや怒りの感情は湧きおこらないでしょう。
なぜなら時間どおりに配達されるだけでもかなりギリギリの状態で、中継基地のスタッフやドライバーが無理して成立させている条件だという背景を知っているからです。
そんな理解があれば、時間どおりに来なくても納得できます。「我慢」ではなくて「納得」です。我慢だとモヤモヤが残りますが「納得」できれば心の平穏は維持できます。
そして時間どおりに来ないケースに備えて、置き配や宅配BOXといった対策をしたり、時間を気にせず待てる時間帯を指定したりして、工夫をすることもできますよね。
「そんな宅配業界の内情なんで知るわけないだろ!」と情報をシャットアウトするのは自由ですし、知らないままでイライラし続けるのも自由です。
でも勿体ないですよね、本来はイライラする必要ないのに。
ニュースを見て少しでも関心があれば、サービス過剰で限界が来ている様々な事情が理解できるはずです。世の中に対してちょっとした関心があればいいだけなんです。
関心をもって、多少の知識さえあれば、わざわざ無駄に「4大猛毒」を出す必要がなくなります。
別の例を挙げると、飲食店でイライラしたり怒りをぶつけたりしている人っていますよね。それも同じです。ここで出す猛毒も、やはりほとんどが無駄なものです。
多くのお店がコストを抑えてサービスの限界でオペレーションしているわけです。そんなちょっとした背景を理解していれば、料理の出来上がりが遅かったり、未熟なスタッフがいたり、盛り付けに難があったりしても、やむを得ないということがわかります。
「こうあるべきだ」 「できるはずだ」
といった自分基準が固まっている上に、さらにはお客様として扱われなかった「プライド」も邪魔をして、飲食店というのは「イライラ猛毒・怒り猛毒」が出やすい場でもあります。
そんな「猛毒」を発動させないための盾となるのが「知識」であり、世の中への関心です。そして少しの「思いやり」。
嫌なことがあって「我慢をする」のではなく、知識と思いやりによって「理解する」「納得する」ことで、モヤモヤを消すことが重要となります。
宅配便や飲食店のケースは「無知は悲運」のごく一部の事例に過ぎません。
あなたのイライラ・怒りの原因が、実はちょっとした知識不足・思いやり不足なのかもしれないというケースは想像以上にたくさんあります。
イライラする原因はどうしても自分の外(他人)にあると思ってしまいますが、実際には自分の中、つまり自分の知識不足にあるということに、まずは「気が付く」ことが重要です。
運気が良い人はイライラが少ないんです。ほとんど怒らないんです。
運気が良くなってからイライラや怒りが減ったのではなく、イライラや怒りを減らしたから運気が良くなったんです。逆なんですね。
ですから、とにかく運気を良くしたければ、今のあなたの「イライラ・怒り」を1つでも多く減らすために「状況を知ること」を徹底してください。状況を知れば思いやりも生じます。
「仕方ないな」
これは我慢でも、諦めでも、妥協でもありません。理解であり「知識」です。
冷静な現状把握が、いつも心穏やかに過ごせるベースとなります。
4大猛毒のうち「心配」も同じです。「無知」が原因で、不必要に「心配」をどんどん増やしていって、運気を落としている人はたくさんいます。
「心配」というのはまだ起こっていない未来のことを、わざわざ頭の中で予行演習(シミュレーション)する作業です。
この「予行演習」が上手になると、どんどん心配した架空世界を実現させるプロになれます(笑)
引き寄せの法則は「心配」のときに一番スムースに機能しますので、心配が実現した事例を体験してしまうと、そのあとはどんどん「心配」したとおりの人生を歩んでいきます。かなり強力な「パワレルワールド」の構築です。
「心配性」の人で運気が良くて成功している人はいません。 これも、成功したから心配がなくなったのではなく、「心配」を減らしたから運気がよくなって成功したんです。やはり逆なんですね。
でもなぜ「心配」するのか。
それは先のことが不明確だからです。
逆に言えば「安心の根拠」が乏しいからです。
安心の根拠がない理由は「知識不足」の場合が非常に多いんですね。つまり「無知」が「心配」と直結しているわけです。
ごく簡単な事例を挙げますと、
80歳のおばあちゃんが18歳の孫に向かって「夜は人さらいがいるから、駅までは人通りの多い道を通って帰りなさい」と言ったとします。
80歳のおばあちゃんは孫のことが心配で言ったわけですよね。今どき「人さらい」って言葉自体も死語ですが、おばあちゃんにとっては「心配」から生まれた発言なわけです。
これなんかはおばあちゃんの「無知」と直結した「心配」ですよね。情報が全くアップデートされていなくて、孫の年齢も時代背景も昔の情報のままだから、いつまでも無用な「心配」が生じるわけです。
さすがに皆さんはこのおばあちゃんの発言を鼻で笑い飛ばすと思いますが、実はあなたの気が付かないところで、意外と同じような「心配過剰」に陥っているものです。
テレビのニュースをみると次から次へと新しい事件が起こりますからね。
あなたの中で1つ1つ「安心の根拠」を構築できるわけではないですから、潜在的に「心配」が増えます。ニュースを見れば見るほど「心配の種」は蓄積されていくわけです。
特に自然災害や地球環境といったスケールの大きいテーマになると圧倒的に「安心の根拠」は乏しくなりますから「心配」は増大します。
しかしこれだって正しい知識によって、大幅に「心配の量」を減らすことが可能です。「心配」を全くゼロにすることはできませんが、知識と行動(対策)によって「安心の根拠」は大幅に増やせます。
自然災害や地球環境、戦争、犯罪に関する「心配」はほとんどが知識不足から来る「過剰な心配」です。メディアが視聴率のために大げさに報道していたり、不安を引き金にしたビジネスが背景にある場合も多いわけです。
必要もない心配を増やして運気まで落としてしまわないように、常に関心をもって「正しい情報」を集めなければいけません。
4大猛毒の4番目「執着」についても触れておきましょう。
「執着」が「無知」から生じているケースというのは少しイメージしにくいかもしれません。
「執着」については「こだわり」のレベルであればプラスにはたらくこともありますが、運気を落とすレベルというのは「過剰にフォーカスした状態」なんですね。
以前、パラレルワールドについて6回にわたって解説しましたが、そのときにこの「フォーカス」という言葉を何度か使いました。事象に「フォーカス」し過ぎて俯瞰できなくなったときに、マイナスのパワレルワールドを構築しやすいんでしたね。
フォーカスし過ぎたり、何かに加熱し過ぎる状態というのはその人の性格にもよるのでコントロールが難しい面もありますが、「知識不足」が原因で「選択肢」が少ないケースというのも多いわけです。
知識がないから「選択肢」が少ない
「選択肢」が少ないから1つのことにフォーカスしやすい
フォーカスが進むと「執着」を生む
というロジックになります。
モノへの「執着」よりもヒトへの「執着」のほうが運気低下を招きやすいと言われますが、特に「異性への執着」は犯罪に発展するケースも多くなります。
恋愛感情というのは選択肢が多ければ執着しないかと言えば、そんな単純なことではありませんが、選択肢や知識が多いほうが、冷静な判断はしやすくなります。
「無知」というよりも「視野の狭さ」や「世界の狭さ」といった表現のほうが近いかと思いますが、広義的には「無知」と直結している運気低下の一因と言えます。
今回のコラムは
「無知は悲運」
というテーマでお伝えしておりますが、
運気を落とす4大猛毒「イライラ、怒り、心配、執着」が出たときに、その原因が自分の知識不足によるものではないか、を点検する習慣づけが重要ということになります。
あ!なんか私・・・、今「イライラ」している。
そう気が付いたら、ただ我慢してやり過ごすのではなく、その原因って何だろうって考えてみてください。
その背景にはあなたが知らなかった事象が隠れているかもしれません。
【本当はイライラする必要はなかった】
そういった「イライラ減らし」が1つでも2つでもクリアできれば、運気低下の原因もその分、減っていくわけです。
原因がわからなかったら、人に聞く。chatGPTに聞く。
「人に聞く」については前回のコラムで解説しましたね。あなたに近い5人「以外」の人にどんどん聞いてください。「あなたに近い5人」に自分の「イライラ」や「心配」を話して共感してもらってはいけません。
愚痴を聞いてもらって「そうだよね~」「わかるわかる!」って共感をしてもらうだけでは、自分の「イライラ」や「心配」を認めてもらうだけで、何も解決になっていません。
かといってあなたの「イライラ」「心配」を他人に否定してもらうって、なかなか難しいので、そんなときは「chatGPT」に聞くのが一番です。
「chatGPT」は実に優秀ですよ。無料で何でも教えてくれます。
ただし的確な回答を得るためには「聞き方」も重要ですので、具体的に聞くようにしてくださいね。相手は「AI」ですから人間のように気持ちを汲み取るという部分には限界があります。
例えば「chatGPT」に【子どもが言うことを聞かなくてイライラします。原因は私の無知だと思いますがどんな点を私は知らないからイライラするのでしょうか。】と質問してみてください。
実に多くの「自分が知らなかった背景」を的確に解説してくれます。
「原因は私の無知だと思いますが」という1文を入れて質問をすることがポイントです。
「chatGPT」に自分がまだ知らないことを聞くのは本当に勉強になりますし、イライラ・怒り・心配・執着の「原因」を知るための「知識武装」ができますので、運気を安定させる上で大いに活用してください。
「今のままで十分」と思って、思考と行動を止めてしまうと現状維持ではなく「少しずつ後退」してしまうのがこの「行動の星=地球」の特性です。
スピリチュアル的な視点で言えば、
「行動」をやめてしまったら 「学び」を止めてしまったら 「好奇心と知識欲求」を捨ててしまったら・・・
「肉体スーツ」を借りてわざわざ三次元世界(地球)にやってきた理由が成り立たないですよね。
ですから成長を止めないでくださいね。
知らないことをどんどん知りたい! という気持ちを忘れなければ「無知病」から回避できます。運気も高い位置で安定し続けます。そうやってあなたの「地球ステージ」を精一杯、楽しみながら生き抜きましょう。
