コラム

無知はコスト。そして悲運・・・(1)


知らないために、必要以上に多くの「お金」をかけてしまっている。

知らないために、必要以上に多くの「時間」をかけてしまっている。


そんな状態を「無知はコスト」と表現することがあります。

でも、当の本人は自覚がなくて、お金や時間を浪費していること自体に気が付いていません。


「知らない」というだけで、知っている人よりもお金や時間を無駄にしているという意味ですが、多少の無駄であれば、それほど人生に影響はないでしょう。何でも100%効率的に生きればよいというものでもないですからね。多少の無駄や遊び、余白、失敗があってこそ豊かな人生です。

しかし「無知」であるために「運気」も落としているとなると、これはしっかり点検しなければなりません。

今回のコラムは前編でこの「無知はコスト」、そして後編で「無知は悲運」について解説したいと思います。

「無知はコスト」を回避できている身近な例を挙げますと、最近ではスマホを上手に使いこなしてアプリをこまめに管理することで、かなりの費用削減ができますよね。

電話で注文するよりもずっと安かったり、ポイントやキャッシュバックが得られたり、といったお得なケースは多くの方が経験済みかと思います。

例えば航空券を予約するときも、ANAやJALでは電話で予約をすると5,500円の追加手数料がとられますからね。結構な金額です。


また、タクシーアプリやフードデリ、スケジュール管理、予約サイトなどを使うことで「時間の無駄」も省けますね。

予約をしていたので無駄な待ち時間を節約できたという経験は多くの方がされているはずです。


一方、スマホやパソコンが苦手な高齢の方、いわゆる「デジタル弱者」は、アナログ手段しか使えないと大きなコストになっていることはご理解いただけるかと思います。



「無知はコスト」って、なんだそんな簡単な話か・・・

スマホとかポイントカードとか、普段から使いこなしているから自分には関係ないや・・・

そう思われた方も多いかと思いますが、それはただ単に「あなたの知っている領域」に過ぎません。

まだまだあなたが「知らないこと」、そして知らないために「無駄なコスト」になっていることがたくさんあるかもしれません。

まずは自治体の「助成金」ですかね。

これは「無知はコスト」の代表例とも言えます。

「助成金」って調べてみると実は非常に多くの種類があります。そしてこの「助成金」の厄介なところは、こちらから申請をしないともらえないという点です。

自治体や役所のほうから、わざわざ電話やメールがあって、助成金のことを教えてくれるということはまずありません。

問い合わせをした人だけ教えてくれる。申請をした人だけが助成金をもらえる。当然、何もしなければもらえない。



どうせ自分には関係のない助成金だけでしょ・・・

そう思って、調べない、知ろうとしない人が圧倒的に多いんですよね。

自治体にもよりますが、ただ単に50歳になっただけでお祝い金がもらえたり、子どもがいるだけでいろいろなお金や食材がもらえたり、ケガや病気でお見舞金がもらえたり、補修工事やエコな買い物をすると補助されたり、結構身近なものが見つかります。

会社やお店を運営している方なら、さらにたくさんの種類の助成金が用意されています。1,000万円を超えるようなものも珍しくありません。


本当にお得な情報って、自分から調べに行かないと得られないんです。逆にNISAのように、妙に政府が積極的に勧めてくる制度というのは、実は裏があったりします。


面倒だから。
忙しいから。

そんな理由で「知る」「調べる」という習慣がなくなってしまうと、いろいろなところで「損」をしてしまったりします。


URの賃貸住宅もそうですね。

街の不動産屋で賃貸契約をするよりも圧倒的にお得なのに、知らないから利用しない。

税金の制度についてもそうです。税金って何だか小難しい・・・ と思って避けがちですが、数多くの還付金があるにも関わらず、多くの人は還付を受けずに無駄払いしているケースがたくさんあります。また、決して「脱税」ではなく「節税」になる方法もたくさんあるのに、多くの人が活用していません。

もっと難しいイメージがあって無駄が多いのが「保険」ですね。よくわからないからお任せで契約をして、必要のないコストを毎月支払い続けているケースがほんとに多いんです。そして契約内容を理解していないために、もらえる保険金を申請せず、もらい損ねているケースも非常に多い。

逆に安い保険に飛びついて、いざというときに保険金がもらえないというケースも山ほどあります。(安いガン保険なんて、最終死因を「多臓器不全」と判定されて1円ももらえないですからね・・・ そもそも直接死因が「ガン」って滅多にないですし)



そのほか買うよりも「リース」のほうがずっとお得だったり、不動産の購入なんて、98%以上の人が「相場より高い買い物」をさせられているのが実情です。

そういった専門性が高い分野は「知らない人」を相手に利益を上げる産業構造になってしまっているので情報を隠そうとしますし、普通に暮らしていると大きなコストとなってしまうケースが多くなってしまいます。

スマホのアプリとかポイントとかで、お金を節約できている EXCELとかAIなどを駆使して、時間を大幅に節約できている

そういう方でも、いざ助成金や税金、保険、投資、不動産といった分野になるとぜんぜん「無知」だったりします。

自分でどんどん勉強して情報を収集できる人はいいですが、それでも自分の知識と価値観の範囲で咀嚼しますから完全とは言えません。

ではこのような、無知はコスト「症候群」から脱却するためにはどうしたらよいか。


普段から「人に聞く」というのが重要になります・・・ と言っても、ただ聞くだけではダメなんです。

なぜならほとんどの人は「大して知らない」「中途半端にしか知らない」からです。


何か最近お得なアプリある?? といったレベルであれば、周りの友だちや職場の同僚に聞いたり、WEBで検索する程度でも十分でしょう。

でも専門家がその情報を「商売」に使っているような難易度の高い情報だったら?

あなたの近くにいる人の情報だけで「助成金、税金、保険、投資、不動産」といった専門性の高い分野の「超お得情報!」が簡単に入るでしょうか。

アメリカの実業家ジム・ローン氏の言葉で「You are the average of the five People you spend the most time with.」というものがあります。

「あなたは、一緒に過ごす時間の長い5人の友達の平均になる」という意味です。

長い時間を過ごす友達ですから当然、価値観や趣向、行動範囲などが似てきます。知識や情報、そして経済状態も概ね似通っています。

そんな「自分に近い5人」ではない、それ以外の人から、新しい情報を得る「行動力」をつけたいところです。

5人から得る知識は「あなたが居心地の良い狭い世界」だと思ってください。

TikTokと同じですね。一見、たくさんの情報がもらえているようにみえて、実は自分好みの「狭い世界」の情報に囲まれているだけ、という状態になりがちです。

「シックスディグリーズ理論」という言葉はご存知ですか?

人は知り合いを紹介してもらって、その知り合いに、さらに知り合いを紹介してもらって、これを繰り返して6人目には世界中の誰とでも知り合うことができるという理論です。

あなたがアメリカ大統領と知り合いではなくても、まずはあなたの友だちに市議会議員を紹介してもらったとします。そしてその市議会議員に県議会議員、県議会議員に国会議員、国会議員からアメリカ連邦議員・・・と根気よく紹介ルートをつなげていくと6人以内には必ずアメリカ大統領に会えるというロジックです。

大統領に限らず、キムタクでも大谷選手でも、この世界は人口がいくら増えたとしても、常に6人以内につながる階層でできているそうです。

まあ「わらしべ長者」と同じで、紹介ルートをつないでいくのは大変な労力が必要ですので、実際は理論どおりにはいきませんが、「超お得情報」くらいであれば、その気があれば必ず得られます。必要なのは身近な人だけとつきあわないこと。専門的知識をもっている人を探す「行動力」です。


あとは自分が知らないところで「無駄なコスト」になっていることはないだろうか、といった情報への関心をもって、電波をしっかり張っておくことが重要です。


ソクラテスの言葉で「無知の知」というのがありますが、自分は無知であるということを「知ること」が賢者への道という意味ですね。

自分はまだまだ知らないことがたくさんあるんだな・・・

知らないことをどんどん知りたい!


その気持ちが賢くお得に生きる道となります。

今でも十分わかっている
現状維持で十分

という意識の人は、無知はコスト「症候群」にどんどん感染していってしまうと言えます。


学校を卒業したら勉強は終わりではないんです。

大人になってからのほうが、お得に快適に生きる上で、もっと大切なんです。


ですから「学び」を止めないでくださいね。

そして好奇心と知識欲求をもち続けてください。


ルーティーン化した生活はラクかもしれませんが、頭に汗をかきましょう。

「地球は行動の星」でしたね。運気の源は「行動」です。

まずはコラムの前半として「無知はコスト」の話をいたしました。

次回は「無知」がどれだけ運気を落としているか、損を呼び寄せているか、について「無知は悲運」という題材で説明したいと思います。

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