コラム

風水学の真実(前編)

周波数の高い物質を肌に装着することによって、その人の体内周波数を引き上げる。

これは「パワーストーン」の基本メカニズムですね。手法としては非常にシンプルで、かつ効果的な開運術と言えます。


複雑な法則を習得する必要もないですし、とにかく

1)装着する(=石の信号を心身に伝達させる)

そして、それに関連した方法として、

2)持ち歩く(=石の波動で身を守る)
3)置く(=置いた場所の陰陽バランスを整える)

という主に3つの手法。誰にでも簡単にできて、開運術の中では利便性において群を抜いていると言えるでしょう。

その他、万物の法則を体系化した本格的な開運術というのはいくつか存在します。パワーストーンと比べると、細かいルールがたくさんあって正しく実践できるようになるまでに時間がかかりますが、そんな数ある開運術の中で、最も即効性があり効果的な手法と言えば、やはり「風水術」がその代表として挙げられるでしょう。

ということで、今回と次回の2回に分けて、「風水術」についてその全貌をお伝えいたします。


●ウソの風水理論?


少し風水の勉強をされたことがある方であれば、風水には本物の風水学とウソの風水学がある、という話を聞いたことがあるかもしれません。

中国がまだ「唐」という国だった時代。

王朝のトップだった玄宗皇帝が、風水の威力に脅威を感じるとともに、その秘術が諸外国に広まることを恐れて、わざと重要箇所を抜いた簡易版の風水書『滅蠻経(めっぱんきょう)』というものを一斉に流布させます。

この『滅蠻経』は、デタラメの風水書ではなく、理論は基本的に合っているのですが、秘術とされる重要箇所を省いた風水書となります。言わば、肝心なところを抜いた「肝抜き風水書」なわけです。

そうして真の風水理論は皇帝が一族を守るためだけに秘密裏に伝承されていきました。


●中国最大の悲劇 「文化大革命」


20世紀に入ると、貴族階級においても真の風水理論を使った家作り(陽宅風水)や墓作り(隠宅風水)が広まります。この時点でも民衆の間には一切、真実が漏れないように『滅蠻経(めっぱんきょう)』を元にした簡易的な風水だけが浸透しています。

しかし1966年。
中国最大の悲劇と言われる「文化大革命」によって、中国国内の知識階級の多くが一斉に「粛清(しゅくせい)」に遭います。つまり、危険分子とみなされて投獄されたり処刑されたわけです。そして、当時の風水師もすべて一流の知識階級に位置づけられていましたから、例外なく粛清の対象となったわけです。

真の風水理論を継承してきた知識人の多くは、このときに命を失うこととなります。
現在の中国において真の風水理論を知る風水師がほとんどいないのは、このような歴史的背景があったためです。


●欧米への伝播


当時、粛清の波から逃げ延びて、海外に移住した風水師も少なからずいました。
後に彼らは新天地であるアメリカやイギリスを中心に風水理論の流布を再開します。

もちろん彼らは真の風水理論の継承者ですから、欧米に伝えられた風水理論も『滅蠻経(めっぱんきょう)』ではなく、威力を有した真の風水となります。

そのため、欧米では「西に黄色」のような日本で一時期ブームとなった日本式の風水?は、一切広まっていません。


●日本の風水の正体


では、日本にはいつどのようにして風水が伝わったのでしょうか。

日本に最初に風水理論が伝わったのは飛鳥時代です。しかし残念ながらその理論はまさしく『滅蠻経(めっぱんきょう)』でした。つまり肝心な部分が抜け落ちた風水理論です。

これが「陰陽道」や「家相学」として浸透していくのですが、真の風水理論の中で重要視されていた時間の概念(時間の経過に合わせて風水術を変える手法)が取り入れられていないため、風水理論を使って造られた「平城京」も「平安京」も一時的に隆盛はしましたが、残念ながら時代とともに風水効果は減衰し、都としては衰退していってしまいます。


●正統派風水


文化大革命を期に欧米に広まった風水(Feng Shui)は、巒頭法(らんとうほう)と玄空飛星法(げんくうひせいほう)の2つの手法を融合させたものです。現在は「正統派風水」と呼ばれており、シンガポールに本部を置くIFSA(国際風水協会)が理論の体系化と風水師の養成を行なっています。

水晶工房の運営母体である株式会社アイランド・アベニューでも、陽宅風水(家・オフィス・店舗の風水)をみるときは、必ずこの巒頭法と玄空飛星法を使って解析します。


●正統派風水の限界


巒頭法と玄空飛星法を使った「正統派風水」の手法は、風水学の中でも最も信頼できる手法であることは疑いの余地はありません。ちなみに一時期ブームになった「日本式風水」は「八宅法」という手法になるのですが、先ほど何度か説明をした『滅蠻経(めっぱんきょう)』の流れを汲む「肝抜きの風水」です。

しかしながら、この「正統派風水」には大きな弱点があります。

「正統派風水」はもともと、都市の引越し(遷都)や築城など、大規模な引越しや増改築に用いられていました。大規模な引越しや増改築で使えば、凄まじい風水効果が引き出せることは様々な事例で実証済みです。現代ではビルやホテルを建てるときには正統派風水の風水師が監修をするケースが非常に多くなっています。

ただ、残念なことにこの理論をそのまま日本のマンションや一軒家に適用をしても、あまり効果が出せないのです。

今、お住まいのマンションが200㎡を超える大きなスペースの部屋であれば話は別です。一軒家においても建物ワンフロアが200㎡、庭を含めて400㎡を超える大邸宅であれば取り入れるメリットは十分にあるでしょう。そのくらいの規模の家で「巒頭法」と「玄空飛星法」を取り入れると、非常に高い風水効果が期待できます。オフィスにおいても同様です。大規模スペースで取り入れるのであれば、極めて高い効果が得られます。

しかし、私たちが住む住宅のほとんどは、200㎡を下回るコンパクトなスペースです。ビルやホテルなどと比べるとスケールが全く異なります。

風水効果が全くないというわけではありませんが、スペースが狭くなればなるほど、その効果は大幅に減少していってしまうという大きな落とし穴があるのです。


●そもそもなぜ風水に開運効果があるのか


そもそも風水を取り入れると、なぜお金の巡りが良くなったり、健康が維持できたり、眠った才能が引き出されたり、恋愛や人間関係がスムーズにすすむようになるのでしょうか?

風水を取り入れようとすると必ず「方位」が関係してきます。家やオフィスの中心位置から見て、それぞれの方位にどのような配置をすれば良いかを検証します。

では、その「方位」の先には何があるのでしょうか?
それぞれの方位の何か影響を及ぼして、人の運気に作用するのでしょうか?

地球は大きな磁石のような星です。北極点の近くに「磁北」と呼ばれるN極の中心があり、その裏側、南極の近くに磁南と呼ばれるS極の中心があります。地球から地磁気(磁場)がなくなってしまうと、地球の大気や水などの自然は維持できなくなります。太陽を回る惑星として恒常性を保つためには、地磁気は非常に重要なものです。

そして、人間のみならず生物はすべてこの地球の地磁気の影響を受けて生きています。渡り鳥の方向感覚も地磁気があるからこそ機能しますし、その他の生物も産卵からエサ探しまで、すべて地磁気を読み取る体内プログラムのおかげで種族が維持されています。

そして人間も例外なく地球の地磁気の影響を受けています。

本来であれば、地磁気のリズムを読み取って、相性の悪い場所を避けて、相性の良い場所を選んで生きていくべきところ、人間は知能を使って利便性を最優先して今日まで文明を築いてきました。つまり、自然のリズムよりも利便性を優先して進化してきたのです。

しかし、地球のリズム。自然のリズムには到底適いません。
利便性を優先した「人間がつくったリズム」だけに沿って生きていると、どうしてもバランスが崩れてしまいます。

つまり、地磁気のリズム(方位による相性)を完全に無視して、言わば向かい風に向かって突き進むように、体力を消耗しながら過ごしてきたわけです。

自宅の中心から見て、玄関が「北」にあったとします。同じように寝室が西、リビングが東南、キッチンが東にあったとしましょう。
それぞれ中心の気と比較をすると、玄関には北の地磁気の要素があり、寝室には西の地磁気、リビングには東南の地磁気、キッチンには東の地磁気があるわけです。

例えば200㎡の邸宅だったとしますと、中心から見て玄関までの距離は長くても20m程度です。

20mの差ですから、地磁気の差(気のギャップ)は僅かなものです。しかし、家というのは毎日過ごす場所ですから、この小さな地磁気の差でも少しずつ身体に影響してくるわけです。

これが400㎡の邸宅であれば、地磁気の差がもっと大きくなりますし、600㎡の豪邸であれば、もっとギャップは広くなります。つまり、大きな家、大きなオフィスになればなるほど、地磁気の差(気のギャップ)の影響が強くなるということになります。

そのため、先述のとおり一般的な日本のコンパクトな一軒家やマンションの分譲エリアでは、地磁気のギャップが少ないために、あまり目立った風水効果は引き出せないのです。


●一般の人に最も適した開運術


一般の人という言い方は御幣があるかもしれませんが、上記のような大邸宅に住んでいない大勢の市民とお考えください。
そのような私たち大勢にとっては、家の中にいただけでは方位の気のギャップを強く受けることができませんから、自分で動いて、自らの力で「方位の気(=地磁気)」を受けにいかなければ地球のリズムに身体を一致させることはできません。

つまり、旅行や出張、引越しなどで移動をすることで、地磁気を味方につけて、体内周波数を高めていく手法が有効となります。

家宅風水(陽宅風水)は家の中の地磁気のギャップを生かした開運術ですので言わば「静」の開運術といったところです。一方、自ら動いて地磁気のギャップを受けに行く方法は、「九星気学風水術」と言いますが、言わば「動」の開運術といえます。

この「動」の開運術こそが、現代社会を生きる私たち一般の市民に適した方法であり、今、特に必要とされているものなのです。


●滅蠻経の影響を受けていない九星気学風水術


しかしながら、ここでも残念ながら「肝抜き風水書」である『滅蠻経(めっぱんきょう)』をルーツにした九星気学が日本で主流となっています。

そして、欧米で活躍している風水師のほとんどが「九星気学」の真の手法を知りません。世界基準ではないという理由で「九星気学」の研究をやめてしまった日本の風水師もいますが、ここに大きな落とし穴があるのです。

「四柱推命」の元となっている陰陽五行説も「九星」の理論が根底にあり、「奇門遁甲」の中では「九宮」という名前で体系化されています。

実は『滅蠻経(めっぱんきょう)』にはない、真の風水理論の中にもしっかりと「九星術」のベースが残っているのです。

しかし「四柱推命」は運命学(占う人の運命・宿命を予め知る学問)として定着し、「奇門遁甲」は諸葛孔明によって戦術風水(自軍を優位にさせて、相手を陥れる風水戦術)として定着してしまったため、「九星」や「九宮」についてはあまり表に出なくなります。

「九星」や「九宮」の真髄は吉方位に移動をして、その方位の「祐気(プラスの波動)」を得ることなのですが、当時は一生を通じてほとんど遠方には出かけませんし、引越しをすることも稀ですので、極めて一部の人しか「九星」や「九宮」の術を使うことはなかったのです。

(後編に続く)


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