コラム

失敗を引き寄せてしまう人生パターン

・人生は「良いとき」と「悪いとき」が繰り返される
・人に与えられた「運」の量は決まっている
・一定期間「良いこと」が続くと、その後に「悪いこと」が起こる
・人生はバイオリズムのように「浮き沈み」がある


このような考えをもつ人はとても多いですよね。

実際に周囲を観察すると、ずっと良いことが続いて「ツキっぱなし」という人よりも、良いときと悪いときを繰り返している人のほうが多く見受けられるので、人生をそのようにとらえてしまいがちです。しばらくツキが続くと怖くなって、そろそろ終わるのではないかと思ってしまうわけです。「運を使っちゃった!」なんて言って、あたかも「運」が消耗品であるかのような表現をする人もいます。

しかし、この考え方。全くの間違いです。

多少のアップダウン、小さなバイオリズムの波はあったとしても、真にツイている成功者は、死ぬまでずっとツイてます。運気もずっと良い状態が続きます。


成功と失敗を繰り返す人と、ずっと成功し続ける人。

この違いはどのようなところにあるのでしょうか。

例えば、ある料理人がいたとします。無一文の状態からひたすら努力をして、夢だったフランス料理店を駅前にオープンさせて、奥様と子供と夢のマイホームに住むことができたとします。自分の店をもつこと。家族とマイホームで過ごせること。2つの夢が叶ったわけです。

ところが数年が経過して、お店の経営が行き詰ります。毎日イライラして家族との関係もギクシャクして、ついにはマイホームを売って別居をすることになりました。多額の借金が残って、お店も失ってしまいます。自分の店も、家族との幸せな時間も両方失ってしまったわけです。

しばらくお酒におぼれて仕事もせず、無駄に時間が過ぎてしまいました。しかし知り合いの人が、コックとして再起を図るチャンスをくれます。再び料理人魂に火がついて、一心不乱に調理の道を究めます。

やがて、料理の腕を評価してくれるスポンサーが見つかり、再びお店を持つことができます。家族との寄りも戻って、再び夢を取り戻すことができました。

このような展開はドラマや映画にとても多いですが、実際の話としても少なからずあります。

「成功-失敗-成功」というパターンを繰り返して、最終的に成功をつかむという流れです。「成功-失敗-成功」で済めばまだいいほうです。失敗の回数がもっと多いケースがほとんどです。

このようなパターンを頻繁に見聞きすると、「成功」というのは何度も失敗を繰り返して、苦労をしてやっとつかみとりもの、という「固定観念」が出来上がってしまいます。

何度も失敗をしなければならないのなら、夢をみるのを諦めよう・・・と言って人生をつまらなくしてしまう人も大勢います。

確かに失敗を経験しないと成功はあり得ません。

しかし、自分のお店や家族を失うほどの大きな失敗をする必要は全くありません。

このフランス料理店のケースで言えば、お客さんに料理の味が塩辛い!とクレームをされて、もう来てもらえなくなったり、従業員が突然辞めてしまって接客レベルが落ちてしまったり、などの小さな失敗だけで十分なのです。そのような小さな失敗を経験・学習して、それを修正していくだけでも十分に成功を得ることができます。

しかし、世の成功者の中には、なぜお店や家族を失うような大きな失敗を経験した人が多いのでしょう。

この料理人は、最初は無一文の状態でした。つまり失うものは何もないわけです。この時点で前回のコラムで解説した「不足感」が強いと「マイナスからのスタート」となってしまうため、なかなか成功ができませんが、この料理人は挑戦できるだけでもありがたい・・・ という意識があって「ゼロ」からのスタートだったとします。

そのため夢に向かって前だけを見て進むことができます。もちろん努力と才能も必要ですが、前に向かう集中力が出せる状態ですので、成功イメージのとおりに「引き寄せ」がしやすい条件が揃っています。

しかし、夢が叶って成功を収めると心境が変わります。

自分のお店、家族との幸せな時間、という2つの財産を、今度は「失うかもしれない」という恐怖心が潜在意識の中に芽生えます。

つまり前へ進むことよりも「うしろに下がらないこと」に意識が向いてしまいます。

うしろに下がってしまうのではないか
財産を失なってしまうのではないか

そういった「恐怖心・心配」が、そのままの世界を「引き寄せ」てしまいます。

つまり、自分が「注文」をしたとおりに、失った世界を「納品」されてしまうわけです。

そうしてすべてを失ったこの料理人は「ゼロ」の状態ではなく、むしろ「マイナスの状態」に転落します。

「マイナスの状態」に転落すると、前回のコラムで説明したとおり、「マイナス意識」で物事を考えますから、立ち直れずにずっとその先の人生をマイナスで終えるケースが多くなります。つまり、失敗から立ち直れずに人生を終えてしまうパターンです。

この料理人は運良く、再び料理をするというチャンスがもらえましたので、意識の上では「ゼロ」からスタートが切れたと言えます。このように手に職をもっていたり、資格や特技をもっていると、マイナスまで落ち込んでしまった人生を一旦「ゼロ」に戻しやすいので、再起を図れる可能性が高まります。

再びコックとしてチャンスを得たこの料理人は、再び「失うものは何もない」という意識で、成功に向かって前だけを向いて「ゼロスタート」をすることができました。その結果、自分のお店と家族との時間という夢を取り戻すことができたわけです。

ここでまた意識の中で「恐怖心・心配」が占める割合が増えてしまうと同じ失敗を繰り返してしまいます。

スピードを緩めずに、二店舗目、三店舗目・・・と事業を拡大をし続ける人は意識が前を向き続けていますので更なる成功を収めるケースが多いですが、時間と労力を使って拡大し続けることばかりが成功ではありません。

拡大はせずにたとえお店1軒だけであっても、現状への感謝の気持ちを強くもって必要以上に執着をしなければ、「恐怖心」や「心配」といったマイナスの思考は現れず、規模は同じであっても、成功を継続させることは十分にできるのです。

お金でもモノでも、増えてくると「失うことへの恐怖心」というのはどうしても芽生えてしまいがちです。人間の心理として当然のことです。

しかし、恐怖心を抑えるためにそのお金やモノに対して「執着」をすると、かえって失う方向にすすんでしまうのです。


失ってもまたゼロから始めればよい


そういった心のゆとりをもって、今の瞬間を感謝して過ごすと、失敗リスクは大幅に回避できるのです。

一度、大きな失敗を経験した人は思い当たる節があるのではないでしょうか。

まだ、大きな成功を経験したことがない人は、ぜひこのことを頭の隅に置いておいてください。


成功をすることよりも、それを継続することのほうが何倍も難しいといわれるのは、このような「心理的な落とし穴」があるためです。

決して時代のせいでも、まわりにライバル会社ができたからでもなく、自分自身のマイナス思考が「引き寄せ」をしているためです。

原因は外にあるのではなく、内側(自分の中)にある、

ということを、ぜひ肝に銘じておいてください。


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